青淵の声援

ビル

当協会のオフィスからは、日本銀行本店、そしてある人物の銅像が見える。
そのある人物とは、日本資本主義の父「渋沢栄一」翁だ。

日本銀行、東京証券取引所、みずほ銀行、日本郵船、理化学研究所、東京ガス、王子製紙、帝国ホテル。誰もが知る日本を代表する企業。そのルーツをさかのぼると多くは彼にたどり着く。間違いなく近代日本の国家システムを構築し、「資本主義」「貿易立国」の礎を築いた人物である。

しかし、あれほど多くの事業で成功を収めながら、なぜか自身の財閥を築かなかった。

その理由は、「道徳なき経済は罪であり、経済なき道徳は寝言である」という二宮尊徳(金次郎)の考えと同様に、「右手に論語(理念)、左手にソロバン(経営)」という『道徳経済合一主義』に基づいたためと言われている。起業自体や利潤の追求が目的ではなく、経営の本質は、『社会的責任』を果たすことというブレない彼の信念そのものに由来していると。

そんな偉人を眺めながら、今日も仕事が始まる。
果たして、偉人、渋沢栄一に今日の日本経済は見えていただろうか。

日本経済新聞社が毎年発表している<主要商品サービスシェア調査>の結果を知ると、凡人の私にもちょっと先の日本経済がなんとなく見えてくる。
この調査は世界中で取引される主要な商品やサービスについて、国別のシェアをまとめた同社の統計調査である。ちなみに今年の発表では、以下の11品目(調査対象51品目中)で日本企業が首位に立った。

(1)炭素繊維:東レ
(2)CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサー:ソニー
(3)産業用ロボット:ファナック
(4)リチウムイオン電池:パナソニック
(5)リチウムイオン電池セパレータ:旭化成
(6)タイヤ:ブリヂストン
(7)A3レーザープリンター:リコー
(8)マイコン:ルネサスエレクトロニクス
(9)中小型液晶パネル:ジャパンディスプレイ
(10)レンズ交換式カメラ:キヤノン
(11)デジタルカメラ:キヤノン
※株式会社略

とりわけ、私が特に注目したのは、リチウムイオン電池分野での日本の躍進である。
韓国のサムスンSDIをかわして、首位になったパナソニックは、2009年の経営危機に直面しつつも将来の成長を信じ、EV(電気自動車)分野へ積極的な投資を続け、テスラモーターズへの大規模出資に踏み切った。電器メーカーや自動車メーカーといった「業界」の概念を超えた新たな成長基盤を作ったのだ。
リチウムイオン電池は、電気自動車だけではなく、スマホやノートパソコン、そして戦闘機や人工衛星などにも幅広く活用されている。さらに今後は、ワイヤレス(無線)給電が普及することが予想され、IoT(モノのインターネット)とセットでその市場は大きな成長が見込まれている。

スマホやパソコンは、机に置くだけで充電できる。もはやあの重いバッテリーを持ち歩く必要はなくなる。
また、電気自動車も宇宙の太陽電池パネルから「電気」が地上へ送電され、道路に埋め込まれたコイルを介して走行中に充電可能となる。すなわち、給油はもちろん、給電することも不要になるそうだ。

人体への影響や電気代の徴収方法など課題も残るが、それは、世界のビジネスや人々の生活スタイルを大きく変えることは間違いない。その分野で日本の技術が世界のトップを走っているというのは、実に誇らしい。二番ではダメなのだ。

さて、昨今、人生100年というテーマの本が雨後のタケノコのように発売されている。
合わせて「SDGs」と「ESG投資」という言葉もよく耳にする。

医療の発達などで、「人類」は100歳までの「長寿」を手に入れた。と同時に人生100年を前提にしたキャリア構築や貯蓄、老後を長期的視点で考えなければならない時代に突入した。ちょっと前まで50年だった人生が倍になるのだから、人生一度きりではなく、人生は二度、三度あると考えなければならない。

さらに世界では、「地球」の長寿化のためにも持続的な発達目標「SDGs:Sustainable Development Goals」が掲げられ、そのために環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮した優れた経営をしている企業へ積極的に投資すべき。そういう企業を目指すべき。そうすれば、地球にとっての好循環が生まれるという考えが主流となっている。もちろん、上記の各分野のトップ企業も目指されている。

渋沢栄一が生きたのが100年前。二宮尊徳が生きたのが200年前。

「三方よし」「CSR」「CSV」「ESG」etc。

先人は、「何を今さら」と言っているかもしれない。
しかし、言葉を変えながらも未だ実現していない世の中を考えると充電池のようには先人の知恵を蓄積できていないらしい。

雅号は、「青淵」。渋沢栄一の声が聞こえる「がんばれニッポン!」

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